こころを助けるコラム 人は誰かの心にいないと生きていけない
人が最も耐えられないのは、「誰かに嫌われること」ではなく、「誰にも気にされないこと」
私が前職で対応してきた人達に、数名、異口同音に同じ話をされる方々がいました。
ー「私がどこへ出掛けても、必ず尾行されるんです。あの人が・あいつが手を回してるんです。どこのお店でもどこの駅でも、店員や他の客があの人とつながっていて、私を尾行・監視してあの人に全部報告してるんです。どうしたらいいんでしょうか、、、」ー
こういった話が、定期的にありました。
本人達は真剣に悩み、また怒りにも震えていました。
私は医療の専門家ではないですが、彼ら彼女らが内面的に変調をきたしているのは確かでしょう。
しかし、思ったのです。
・人は、たとえ尾行や嫌がらせであっても、「私は誰かに注目されてる」と信じたいのだ、と。
ご本人達は確かに真剣に悩んでいるのです。それでも思ったのです。
・もし、「誰もあなたに注目なんかしてないから安心して下さい」と告げられたら、この人達は安心するどころか、絶対にそれを認めない・認めたくないのだろう、と。
ライク・ア・ローリングストーンという歌もありますが、人が耐えられないのは、完全に「石ころ」になってしまうことだと、
彼ら彼女らは、変調をきたし、苦しみ、怒りながらも、
「自分は誰かに注目されてるはずだ、、」
そう信じることで、ギリギリのところで精神の平衡を保っていると。
あなたのことを気にかけてくれてる誰かがいたら、大切にしてあげて下さいね。