こころが助かるコラム 進化論のよくある誤解パート2 他人と比べない方法
進化論でいう「進化」とは決して「進歩」ではなく、たまたま生じた要素が、たまたま有利になっただけ、との話をしました。
考えてみれば、ヒトとは生存競争に非常に不利な、欠陥だらけの生き物な気がします。
力が特に強いわけでも、鋭い牙や角もない。俊敏に動けるわけでもない。冬は服を重ねなければ野外で過ごせず死の危険がある。生肉は焼かないと食べられない。
子孫を残すのは頑張っても年に1回、出産は命がけ、新生児が自力で生存できるようになるまで少なくとも10年以上かかる、、、
そんな生き物であるヒトが、たまたま生き残り続けて、こうしてあなたも私も、いま、ここにいるわけです。
たまたま偶然に偶然が、たまたまもの凄い重なって、あなたも私も、他の人たちも、絶滅せずに生きてるわけです。あなたの100倍強い恐竜がみんな死んじゃってるのにですよ。
そう考えたら、ヒトの個体同士の、しかもたかだかいま現在の自分の知ってる範囲での、
地位や属性、収入肩書き、赤の他人たちからの表面上の評価、
それらを比べて気にすることが、なんだかずいぶんと、ミクロな分野だと思えてこないでしょうか。
よく、「他人と比べないようにしよう」と言われます。
これはそのとおりとは思いますが、現実に実行し続けるのは、心理的になかなか困難です。
なので、他人と自分とを比べて苦しくなってしまった時は、比べちゃダメ!ではなくて、
頭の中で、恐竜と自分とを比べるイメージや、自分とキリンと首の短いキリン(既に絶滅)の三者を比べるイメージを、浮かべてみてください。
きっと、少し楽になりますよ。